今でこそ、太陽光発電所にはメンテナンスが必須というのが当然となっていますが、FIT法が始まった当初は、太陽光発電はメンテナンスフリーと謳う施工業者が多くいました。
　これは太陽光パネルに光が当たるだけで発電しパワーコンディショナーが勝手に送電してくれ、雑草も防草シートを張れば大丈夫であろうと考えていたからです。しかし、パネルは様々な理由で割れ、パワーコンディショナーは不具合も起き、遠隔監視を確認していないと不具合にも気づかない。雑草対策には、しっかりした防草シートを使わないと直ぐに破れてしまい、シートの上や隙間から、隙があれば雑草が生えてきます。これらを普段からチェックして効率的な発電をしなければ、故障や不具合ばかりで、採算が合わない発電所になってしまいます。

断言しましょう！
発電所は建設より管理の方が大切です！

今回は、太陽発電所はどのように効率的に管理していくのが良いのかを紹介していきましょう。

1.遠隔監視
2.目視点検
3.電気試験
4.草及び防草対策
5.駆けつけサービスの管理会社


1.遠隔監視
　出力制御の対応が義務付けと、IOT化が進んだことから、殆どの方が遠隔監視装置を設置しているかと思います。PCSのエラーや発電量の確認はもちろん、PCSメーカーを選ぶことで再起動操作、ストリングごとの電圧点検も遠隔上で行うことが可能です。遠隔監視装置の有無で、発電所の維持管理が劇的に変わります。これ無しに、発電所管理は語れません。

2.目視点検
　遠隔監視装置があっても発電所の定期的な目視点検は必須です。フェンスの破損やパネル汚れ、雑草、架台の異常、電気設備の異音など遠隔監視上では確認出来ない異常を検知することが出来き、大きな故障につながる前に改修することで発電影響を最小限にすることができます。雑草の状況確認も加味すると、目視点検は3、4カ月に一度に実施するのが良いでしょう。

3.電気試験
　太陽光発電所は、当然電気設備となりますので電気試験が義務付けられています。頻度は、４年に一度が目安とされていますが、多くの電気設備は年に一度のものが多いため、太陽発電所設備も理想は年に一度が良いでしょう。しかし、周辺の環境に応じて電気試験の回数を減らすのも良いでしょう。

4.除草と防草対策

　太陽発電所事業は、雑草との戦いといっても過言でもないでしょう。雑草は暖かい年ならば2月の下旬から生え始めて、5月には驚くほど繁茂してしまい発電所が確認できない程になってしまいます。雑草対策を除草のみとするなら年に最低でも3回は除草が必要です。
　除草剤と併用する場合は、除草の回数を減らすことができ維持管理コストの削減になりますが、除草剤にも様々な種類があり、あたり構わず除草剤を撒いてしまうと土砂崩れを招くことになるので注意が必要です。除草剤を撒くにあたっては除草剤のタイプをよく理解しておく必要があります。

• グリホサート系除草剤

• グリホシネート系除草剤

　「バスタ」が有名で、農家が使うことが多い除草剤です。成分の特性上、地上部のみを枯らすため、法面や石積みに使用しても根が残るため土砂崩れが起きにくいのが特徴です。しかし、地下茎残っているため、すぐに雑草が生えてきてしまうため頻繁に除草剤を撒く必要があります。

• 粒剤系

　粒剤系には様々な種類の成分があり最終的な効果は同じで、非選択性の除草剤です。根から除草成分が吸収され全ての植物を枯らします。残効性もあり6ヶ月ほど効果が継続するのも特徴で、非常に強力です。
　太陽光発電所ではよく使われるタイプの除草剤ですが、雨が降ると除草剤の粒が流れてしまう恐れがあるため、地面の傾斜の方向や雨水の流れていく場所をよく確認して、隣地に影響しないように考慮しながら使う必要があります。

 5. 駆け付けサービス

　遠隔監視装置には警報をメールで連絡してくれる機能がありますが、迅速に現場に駆け付ける人がいなければ意味がありません。多くの管理会社では、警報が出てから指定した時間以内に現場に駆け付けるサービスがありますが、場所によっては駆け付けるまでに時間を要してしまう場合もあるので、必ず駆け付けサービスの所要時間を確認しましょう。
　



　太陽光発電事業は管理が非常に重要です。知識のある会社に依頼することはもちろん、駆け付けサービス、遠隔監視の確認、年次点検、定期的な目視点検をしてくれる会社を選ぶのが最低条件となります。弊社では、加えて定期的に発電報告書を作成し、現在の発電所の状態を報告させて頂き、最大限の発電能力を発揮させるための除草対策も併せてご提案させて頂きます。

　御所有の発電所管理に疑問などがあればお気軽にご連絡ください。